タドゥーのいろんな日常

このタイトルいつまで続ければいいのか

GARIGARI waits for no one

『マキゾエホリック Case3:魔法少女という名の記号』東 亮太
やっぱりラノベが好きな人ならこれは楽しめる
おもしろかった
キャラ達の事情や思惑が絡み合って物語を形作っていくという単純な形が、そのキャラ達の持つ記号やバックボーンが膨れ上がるにつれて色彩を増していく
単純に考えて、<<巫女>>しか居ない話と<<巫女>>と<<殺し屋>>が居る話だったら後者のほうが広がるに決まってる
31人のクラスメイト全員が特殊な(でもお約束な)記号を持っている状況なら、そのカオスっぷりはまさに世紀末
そのあたり、見た目の構図が似ているネギまとの違いでもあったり
ネギまはあくまでもネギの物語
マキゾエは各キャラに物語があって、それが絡み合った事態を藍子の視点で見ているだけで
<<黒幕>>が記号に恥じない動きをしているとはいえ、それはちょっと違う
両方好きだけど全然似てないと思う
そろそろ全員の記号が出揃ったかな……また明らかに格が違いそうなのに普通扱いされてるのが出てきたし
どんなジャンルの話でも色恋の話はあるように、ラブでコメな組み合わせも結構あるので嬉しい
それに藍子が入っていないってのが切ないところなんだけども
毎回思うけど、藍子の一人称語りによって藍子自身に対する見方がバイアスかかってるのがおもしろい
内面の語り口調とみんなに対する丁寧な喋りのギャップ、その受難っぷりと行動力と今回みたいなはっちゃけぶり
これは萌える
なのに本人視点なので極めて断片的に、事実的にしか描写されないうまさ
毎回パンを咥えてるのだって、自覚はしてるけどいつもの事として数文字で流されてしまう
クラスメイトのいつもの事は奇人のオンパレードだぜと内心ツッコミをいれているにも関わらず
映像化して欲しいなぁと思う理由の一つが、藍子の素敵さを客観的に見たいってのがある
分厚めの割に各シーンの描写が無駄に長いわけでもなく話は複雑なので、一気にかつ慎重に読まないと把握しきれないってのは難点といえば難点か
内容が濃い分、嬉しい点でもあるんだけど
毎回わりと単純な事態に収束するとはいえ、読んでる間が複雑なのは変わりないわけで
今回は挿絵がひどかったのが残念